ヨーコ・ツノ女史

ヨーコ・ツノ 漫画 ロジェルルー

フランスで最も有名な日本人、ツノ・ヨーコさんをご紹介いたします。
この人を知らないフランス人はおそらくいない、というくらいの人物です。
・・・誰ですか?? 日本ではほぼ無名ですよね。
この女性は実は欧州で人気のあるSFバンデシネ(漫画)の日本人の主人公なのです。

ヨーコ・ツノ インテグラル版 5冊

作者はベルギーの漫画家ロジェ・ルルー氏。
上の5冊はウチにあるインテグラル版、一冊に3話づつ収められたもの。
一冊20€前後、作者の取材旅行の回想記なども入っている豪華版です。
1970年にシリーズ第一作が出版されてから、年に一度のペースで発刊、
今年の最新刊は28巻目、こちらです。↓↓

ヨーコ・ツノ 28巻目

ヨーコ・ツノ ロジェルルー デッサン

黒髪のオカッパ、ヨーロッパ人のイメージする東洋人女性そのものです。
ルルー氏いわく「モデルはフランス生まれの日本人女優、ヨーコタニ。」とのこと。
その女優さんは60年代に欧米のアクション映画で活躍されていたようですね。(存じませんでした。)

ヨーコ・ツノ ロジェルルー 着物姿 デッサン

物語はSFアドベンチャー、ヨーコさんは日本生まれのエレクトロニクス系エンジニア。
美しく上品でおしゃれで頭脳明晰、勇気に溢れ、格闘技に長け(合気道は6段)、
最新の科学技術に通じており、世界中で、宇宙空間で・・・いえ時空を超えてまで
「悪を倒す正義の味方」として活躍するのです・・(書いててちょっと疲れました、)
とにかくとてつもなく素晴らしい設定のヒロインです。

ヨーロッパの1960年代までは、SFには男性ヒーローが主流だったのですが、
(えー、細かく言うとアメリカのワンダーウーマン、フランスには1905年に現れたベカシーヌも強いヒロインでしたが。)
70年代に突然現れた活劇ヒロイン、しかも日本人女性ということがにわかに信じがたく。

そしてヨーロッパで初めて「ポジティブにカッコよく描かれた日本人」
信じられます?
このような設定はこれから先もそうないだろう、と思います。

ヨーコ・ツノ 漫画売り場 バンデシネ

Bande Dessinée バンデシネ(漫画)の売り場にて。

作者はとても凝り性な方で、登場するメカニック、科学技術、車、ファッションに至るまで綿密なこだわりを持って描いています。
だから一年に一度という発刊ペースなのでしょうか。(?)

余談:話の中でおもわずクスッと笑ってしまったエピソードがあったのですが、↓↓
ヨーコとその仲間が疑惑の城へ向かいます、上左から2コマ目、その城の男に、
「その黄色い小猿を連れてさっさと出て行ってくれ!」

ヨーコ・ツノ 悪魔のオルガン 1973年刊行 人種差別の一コマ

ヨーコの盟友ポルは「黄色い猿だと!? もう一度言ってみろっ!」
ヨーコ「ポル下がって、小猿は独りでも戦えるのよ!」(意訳)
(L’orgue du diable / 悪魔のオルガン 1973年)
この手の嫌がらせは一周回ると笑いに変わります、ヨーコさんカッコいいわ

テレビ東京の「世界を変える100人の日本人」で紹介されたことがあったそうでYoutubeで見つけました。
紹介キャッチは「ベルギーで最も有名な日本人」とのこと。
作者のルルー氏が「今ではみんなに愛されて、日本から取材まで来てくれて・・」と涙ぐまれるシーンがありました。