ヴィンテージコンピューターとフランスのプログラミング教育
3つ前の記事雨と鉄塔と風力発電機で、大雨の中、ヴィンテージコンピューターを買い付けに行った話の続きです。
お手伝いしているコンピューター保存研究会に入った連絡で、
あるIT工学の元教授が、幻の国産コンピューターを2台お持ちだと・・
お宅に伺い、倉庫に山積みになった古いコンピューターを見せて頂きました。
こちらが幻のコンピューター「SQUALE」1985年製。
今は無きフランスのコンピューターメーカー「Apollo7」の製品です。
これは商業用コンピューターではなく、プログラム教育専用のマシーンで、
フランスはIT分野で後れをとってはならない!、と学校の教育現場に
政府の肝入りで進められたプロジェクトの一環でした。
マシーンは絶対国産、という方針で、(アップル製?とんでもない)
コンピューター言語はBasicとLogo、シンプル(=原始的)なゲームや
グラフィックツールなどを自分でプログラムすることが出来たそうです。
1000台を作り、500台ほどが全国の中高校へ設置されましたが、えー、、
このような教育プロジェクトにありがちな展開で結局グダグダ、SQUALEは
用具室などに放置され埃をかぶり、、、
なので、現存しているSQUALEは、今現在確認できただけで保存研究会に1台、
今回見つけた2台、そしてパリの工芸博物館(Le musée des arts et métiers)に
1台です。
Apollo7社の旧社員に聞いても「さて・・保存などしてませんし、」
今、ウチの子供たちの学校のプログラミング授業はコンピューター言語
SCRATCHでちょっと図形を描くくらいで・・今のフランス教育省はIT教育にあまり熱心ではなさそうです。(日本はどうですか?)
余談ですがパリ工芸博物館、名前は無骨ですけれど、パリ1 or 2を争うロマンチックなミュージアムと個人的に上げています。
美しいのです、館内のすべてが。
歯車好きの皆さまへ Musée des arts et métiers
メトロ最寄り駅「Arts et Métiers」もミュージアムに合わせた夢のある装飾で、
ネモ船長のノーチラス号のイメージ、ぜひ降りてみてください、メトロ11番線です。Nautilus号の駅で
あれこれ購入しました。既にコレクションしてあるものも、パーツとしてストックしておきたいので。
その中の一台、東芝のT3100/20 1986年製(輸出用)T3100シリーズは当時の
欧州のポータブルコンピューターのシェア40%だったとか。
保存研究会のメンバーが「日本メーカーのコンピューターはなぜ消えたのか」
という論文を書いていまして、そう、NEC、Toshiba、Fujitsu・・
現在こちらの売り場ではまず見かけなくなりました。
あ、SONYはもうVAIOを手放したのですか、、
T3100シリーズは発売当時50~70万円、当時のコンピューターは高額でしたね。
(T3100の中古買い取り価格は50ユーロでした)
お読みいただきましてありがとうございます。
ブログランキングのリンクをクリックしていただけますと励みになります。
インスタグラムにもご訪問くださいませ。instagram merumo.colors
スポンサーリンク