パリ5区の工科学系の研究所が集まるキャンパス内に、
かつてのキュリー夫人の研究所が今はミュージアムとして公開されています。
こちらは夫人の実験室。
ウラン鉱石から放射性物質を取り出す工程は手作業で、そのうえ防護の意識はほとんどなく、触った小物まで放射能汚染していたそうで・・
この研究所はその不安から長らく閉められていましたが、公開に向けて徹底的に除染されました。
実験器具、数々の受賞記録(家族で5つのノーベル賞受賞)、ガン治療への貢献などが簡潔に説明され、
そこそこ大きなスペースをしめる応用商品コーナー、こちらが何とも面白かったので写真をあれこれと。(キュリー夫人がプロデュースした訳ではありません)
目を奪われたのは、1933年に発売されたラジウム入りの基礎化粧品の広告。
THO-RADIA のクリームとパウダーにはラジウムによる次の効果があるそうです、、
「肌の血行をよくし、油性肌を整え、毛穴を引き締め、しわを防ぎます。日焼けの手入れにも有効」
1937年にラジウム使用禁止令(おそらく体への)が出されたのですが、商品は1960年代まで販売されていたそう。
この緑のボトルは「ブリリアンティーヌ」整髪用オイルのようです、同じくラジウム入り。ラジウム温泉というものもありますけれど・・・でもどうなんでしょうね。
こちらは夜でも針と数字が光って見えるようにと、ラジウムを塗り込んだ時計。
フェイスのロゴは Biltmore Radium アメリカ製。(反射で見にくくてごめんなさい)
ラジウムを塗る工程を手作業で行っていた工場では、工員に病気・死亡が多発して大きな訴訟問題を引き起こしたとか。
オメガ社のラジウムの蛍光塗料を使った腕時計のフライヤー。(1915年)
水道水にラジウムを含ませる給水機。(1930年代)
こちらはキュリー夫人の書斎です。
このミュージアムは物理・化学を中心とした現役の研究施設の中にあります。
窓の内側には実験器具を扱う白衣の研究者の皆さんの姿が。
(もちろん写真など撮りません、)
ミュージアム横のキュリー庭園、ご夫妻の銅像。
ドキッとしてしまいました、書斎のバルコニーから。
musée CURIE
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