1973年制作、フランスの知る人ぞ知るカルトSF アニメーション映画、
ファンタスティックプラネット、La planèt sauvage (直訳・未開の惑星)
VHSテープで持っているのですが、ブルーレイ化されてたよ!ということで再び懐かしく鑑賞しました。
「人間が、自分たちよりも大きく知性の発達した生物に支配される。」
SF界普遍のテーマを扱い、スキャンダルも巻き起こしたファンタジーアニメーション。
監督は鬼才ルネ・ラルー、原作はステファン・ウル、共にフランス人です。
(写真は全て自宅テレビ画面を撮影したものです、と予め。)
(Toutes les images sont prises par mon propre moniteur, merci beaucoup pour Eureka.)
再鑑賞した夜に酷くうなされました。狂気に満ちた映像美にお気を付け下さい、小さなお子さんにはトラウマを残すかもしれません。アチラの世界に引きずられて、コチラの現実世界に戻ってくるのに時間がかかるかも、心の余裕のある時におすすめします。
ストーリーを簡単に、結末は書きませんので。
ある惑星に住むドラーグ族という巨人集団が、人間オム族をペットのように、奴隷のように、いえ虫けらのように扱っていました。
(10年前の1963年にフランス人作家のピエール・ブールが同じテーマを描いた「猿の惑星」を発表しています。)
巨人族は「知の道具」このヘッドギア状の物で知識を脳に直接インプットします。
巨人族の少女のオモチャにされていた少年は、その知の道具を盗み知恵を蓄えていきます。(この着せ替え人形っぷり。)
その後脱走に成功し、人間族の住む地域へ。女性種と出会います。
「人間族は不潔で知恵はなく、その繁殖力は凄まじい。」
「程よく駆除しないと面倒なことになる。」 この後の展開は・・
植物・動物の描写は好き嫌いが分かれるでしょうか。この映画のトラウマ要素はこの絵柄にあると思います。このシュールさ、神経に触りますねえ。
ヒロエニムス・ボスの絵の影響があるようです。快楽の園
巨人族、何やら注入中・・あと食事は霞みたいなものを食べてました。
盗み出した「知の道具」により、人間族は巨人族と同等の知識と技術を持ち始めます。
(全編切り絵のアニメーションで制作に4年かかったとか。動きがカタカタするところも不気味な効果を出しています。)
二種族を隔てる「壁」、壁には「人間族を殺せ」と書かれてあります。
何か別のストーリーを思い出しますね?「進撃の巨人」?
そして人間族への激しい掃討作戦が展開するのですが、
高度な技術を獲得した人間は、自作のロケットに乗り「未開の惑星」へ、そしてそこで巨人族の生殖の秘密を知り、、
(上の方で書いたスキャンダル要素というのは生殖の描写という点が主でした。)
カンヌ映画祭でアニメとしてははじめて「特別賞」を受賞しています。
日本でも公開されましたが、どのくらいの動員があったのかわかりません。ただ今もカルト的に人気があるそうで、その後の日本の映像作家の方々に影響を与えたようだ、と聞いています。
日本版のブルーレイ発売時の30秒スポットがありました。