前回のカルナック巨石群(ブルターニュ)の旅の続きです。
カルナックから車で30分のモルビアン湾(Morbihan)でまたまた遺跡を探します。
湾内には大小の島がたくさんあるのですが、上の写真は古墳のあるガヴリニ島から環状のメンヒルのあるエルランニック島を眺めた写真。ともに無人島です。
(メンヒルについての説明は 先史時代の巨石文化 メンヒルの里、過去記事です。)
モルビアン湾、穏やかな海でのマリンスポーツも盛ん、ヴァカンス地としても人気です。そしてブルターニュには古代巨石文化の遺跡、6000のメンヒルと1000のドルメンが現存しており、遺跡巡りも楽しい地でありまして、
(ドルメンについての説明は ご近所のドルメン 巨石墓遺跡、過去記事です。)
この日は一番楽しみにしていたガヴリニ島の古墳 (Cairn de Gavrinis)へ向かうことに。
湾内の港からすぐそこ、中央に見える小島がガヴリニ島であります。迎えの船がやってきました、さて乗り込みます。(ガイドツアーのみ、一時間半。)
あっという間についてしまいました、小高い丘ひとつといった風情の小島です。
入口の小屋のロッカーに手荷物を全部預け、これは遺跡を傷つけないためなのですが、カメラももちろんダメ、しかし携帯電話だけはOKと。
島の中央、ガヴリニ古墳全容です。建設は紀元前3500年前、エジプトのピラミッドよりも古いです。同時代の他の古墳と同じく特権階級のお墓でありました。
右側の小石による「覆い」のみ後世に修復されまして、後部の盛りはオリジナルです。
前面、そして入口、そして我らのガイドさん。
さて入口から入ります。写真は撮れませんでしたので、モルビアンTourist officeから画像をお借りしました。
奥行きは14m、23枚の壁の石、9枚のテーブル状の石が天井を覆っています。(石の部分がドルメンというわけです。)このドルメンの特徴はご覧の通りの繊細な紋様が彫り込まれていること。(石、超固いですよ、)
冬至の日にはこの入口から太陽の光がまっすぐに奥まで差し込みます。太陽信仰ですね。
指の指紋のような、、あと明確に形状の解るデッサンが3つありました、斧、蛇、弓。
けっこう戦闘的、権力的なイメージです。
こちらの画像はカルナックTourist officeからお借りしました。
こちらでガイドさんから興味深いお話が・・
ドルメンもメンヒルも今から解明できることはもうない、と思われていたのですが、科学の更なる発達により再調査が進んでいるとのこと。それはデジタル技術によるもの、石に彫り込まれたデッサンを細密にデジタル画像(3D)に残し解析中、デッサンを彫り込んだ人が右利き左利き? 筆跡の僅かな違いから何人の職人がいたのか? さらに謎の線描が何のイメージを模したものなのか?(グーグル画像検索の最上位仕様・・?)、こういったことがおそらく解りそう、もう少しお待ちください、ということです。楽しみです。
満潮時、右より外湾から激しい潮の流れが入ります、それに逆らって多数のボートが果敢に挑戦しますが全然進めない・・。ゆえこの向かいのエルランニック(Er Lannic)島にはアクセスが大変難しく。こちらの島には環状と半円状のメンヒルが残されています。
行きたいんですけど・・
この古代遺跡が造られた当時この湾は陸地で、島々は丘であったということです。
船上で去り際に向いのエルランニック島(Er Lannic)を望遠レンズで。
左側に見える列石は、満潮の流れに沈みゆくメンヒルです。
こちらも湾内のベルデ島 (Île Berder)、 個人所有の島ですが自由に入れます、しかし、、干潮の数時間の間だけなのですが。
しばらく待って道が出来ました。潮の満ち引き時間の案内板が出ています。
時間を間違え島に取り残された場合は船を呼びますが、けっこうな金額がかかるとか。
ベルデ島からの夕日、シルエットはオット。
日の暮れたモルビアン湾。
お読みいただきましてありがとうございます。
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規制は年々厳しくなってゆくのですね。2015年5月にガブリニス島を訪れましたがその時は、まだカメラはOKでしたよ。フラッシュをバシバシ焚いて例の紋様を撮りました。カルナックも25年前は何の囲いもなく、人が石の上に乗っていましたがね。
豊栄のぼるさま
いらっしゃいませ、コメントをいただきましてありがとうございます。
いろいろと規制(カメラNGなど)が出来たのは最近のことだったのですね。
フランスも年々、名所などの管理が厳しくなっていくように感じておりました。
以前は囲いもなかった場所が、整備されてあら?有料に?みたいなこともしばしばあります。でも大切にされることは良いこととは思います。
豊栄さまのブログを拝見いたしました。ブルターニュに8年いらしたのですね。
今回ほぼ初めてブルターニュを旅行したのですが、もう遺跡の宝庫で回りたい所がたくさんで、ぜひもっと長めに滞在したいと思いました、美味しいものも多いですよね。
ブログのブルターニュの記事を拝読して勉強しております。次回の再訪がとても楽しみです。めるも