レオナルド・ダ・ヴィンチ展の続き、2回目です。
あまりに内容が濃く、まとめきれずに苦しいのですが、
とりあえず今回は「美しきモデルたち」というテーマで。
こちらは「若い男の肖像画」
イタリアから貸し出していただきました、ミラノのアンブロジアーナ図書館所蔵。
(↑↑この辺の事情は前記事で少し、)
顔面の隆起感がいかにもダヴィンチ、濃いめの欧州美男子です。
手には楽譜、モデルは音楽家の誰だろう??と、長年謎探しに盛り上がっていまし
たが、赤外線写真による分析で、
この右手と楽譜は後に書き足されたものらしい、と。
ゆえ、結局この男性のモデルはもちろん職業もわからぬままです。
今回の展示は同寸の赤外線写真もたくさん展示されていまして、そのことはまた
下の方でちょっと触れています。
こちらはファンが多いと思います。「ある女性のポートレイト」
イメージ元は、ギリシア神話の一女神、Lèda レダ。
日本では「ほつれ髪の女」と名付けられているようですね。
伏し目がちの美女でほつれ髪、、与謝野晶子さんも唸るであろうツボの押さえ方。
北イタリアのパルマ国立美術館所蔵。
こちらもファンが多いかと思いまして。
ダヴィンチのフィレンツエ時代の師匠、ヴェロッキオの描いた「キリストの洗礼」の
原寸大の赤外線写真の「一部」です。
この左側の天使をダヴィンチが描いたとされています。
(本物は来れませんでした、フィレンツェのウフィツィ美術館蔵)
この作品はダヴィンチがヴェロッキオの工房で修行をしていた時の作品です。
ヴェロッキオ師匠は大人気画家で超多忙、たくさんいた弟子たちに細部の仕上げを
任すのは、当時よくある製作方法で、
「これ、君と君で残り仕上げといて、教会用の彫刻の納期がさーー、」
みたいなかんじでお弟子さんたちが仕上げた作品のようです。
微妙な筆致の差で少なくとも複数人。ダヴィンチを筆頭にアシスタントも一流の若手
が揃っていたそう。
今回の展覧会は、実物の絵画の他に、それぞれの赤外線写真(実物大)も一緒に展示
されました。
これがですね、細部がよりよく見えるので、えっらいこと面白かったのです。
ダヴィンチの絵画は現在世界に19枚しか存在しませんので、展示配分をどうするのか
と言う点も興味があったのですが、なるほど、この手法もあるんですね。
展示会場で一番最初に迎えるくれるのがこちらの彫像。
実は師匠ヴェロッキオの作品「聖トマスの不信」です。
死後復活したキリストに逢ったトマスが、脇腹の傷口を手で確かめています。
ダヴィンチはヴェロッキオの工房(兼美術教室)に長くお世話になったそうで、
偉大な師匠から受け継いだものは多かったのでしょう、
この顔のかんじ、輪郭といい厚めの表情筋といい、一瞬錯覚してしまいます。
大回顧展ポスターに使われた「ラ・ベル・フェロニエール」
こちらも赤外線写真で細部をじっくりと。(実物は前記事で載せました)
ルーヴル美術館蔵。
「イザベラ・デステの肖像」デッサン画に淡く色を乗せています。
ルネッサンス期イタリアの女傑、いえ、名政治家として有名なマントヴァ侯妃。
当時の芸術家たちの大パトロンでもありました。
一時モナリザのモデルだったのでは?と言われましたが、違いました。
そこここにモナリザの面影が見えます、ダヴィンチの惹かれる女性美は一貫して
いますね。ルーヴル美術館蔵。
晩年のダヴィンチ氏。(自画像ではないです)
多くの資料に「とにかく美男」「かっこよかった、背が高くスタイルもよくって。」
という記録が残っています。
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