こちらは故郷フランス南西部で訪れた、ある修道院で見かけた宗教画、
メインの身廊(地上階)ではなく、小さな上階の床に無造作に直置きされています。
(写真をクリックするとポップアップで拡大写真が出てきます)
残虐なシーンの宗教画を教会内で見かけることは珍しいので、余計に気になりまし
た。(キリストの磔刑を除く、と一応、)
ドルドーニュ県、県庁所在地ペリグーの近郊にある静かな町、
Chancelade シャンスラドの修道院。建造は12世紀でしたが、百年戦争、宗教戦争、
フランス革命で崩壊を繰り返しています。
祭壇側から見た図です、入口の上、普通ならパイプオルガンが置かれていそうな
場所なのですが。木の階段を登ってみます、
階上から見る身廊。
今処刑されるであろう若い女性、直視が苦しいくらいの生々しさ、
どうしたものか、、
左の死刑執行人らしき男の足元には剣と真っ赤に燃える炭、、欧州の宗教の
揉め事にはお約束の・・・嫌なかんじです。
聖書に出てくる<死刑>と言えば<罪深い女への石打ち刑>という場面があります、
しかし、この絵にはキリストも石を手にする男たちもいませんし、、
左上には救いが。聖母マリアが3人の天使を従えて迎えに来てくれています。
赤いドレスに青いマントは中世に描かれる聖母のシンボルカラー。
正面の三角形が目立つ神殿はおそらく古代ローマ式、紅い飾りのついたヘルメット
は同じく古代ローマの兵士でしょうね。
シャンスラドの修道院のウェブサイト内に contact の仕様がありまして、
この絵についての質問を送ってみました。
(当日に勇気を出して事務棟に伺えばよかったのですが、)
翌日すぐにお返事を頂きまして、
「この絵については題材が<聖サビーヌの斬首刑>であること以外には
情報がありません。」ということでした。
聖サビーヌ・・やっとキーワードが見つかりました、ありがたいです。
ところが、この聖サビーヌについてもあまり情報はありませんでした、
ただほぼ確定かな、というエピソードが僅かに出てきました。
時は古代ローマ、キリスト教はまだ辺境の新興宗教という位置にあり、
ローマ帝国ではしばしば迫害されていました。
サビーヌと言うキリスト教徒の女性が西暦126年の8月29日にキリスト教徒
であるという罪で死刑になった、というエピソードにたどり着きました。
フランスのカトリックのカレンダーには、聖人の名前がそれぞれの日に
付けられており、8月29日はなるほど Sainte Sabine の日です。
*余談*
カトリック信者の家庭では、家族の名前と同じ聖人の日はお祝いの日、と
いう習慣を守っている場合があります。
オットと同じ名前の聖人の日には、実家からお祝いカードが届きます。
隣にある Saint-Jean 聖ヨハネの礼拝堂。12世紀、ロマネスク式の建築です。
ローマには Basilica di Santa Sabina サビーナ教会があるそうで、そちらがこの
殉教したキリスト教徒サビーヌ嬢を祀った教会らしく、ご縁が出来たか、と。
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